About

当研究グループについて

地形学(Geomorphology)は、地球・形状・談論という3つのギリシャ語から由来します。つまり、地形学は「地球の形についての談論(discourse on Earth form)」に関する学問です。今日の地形学は自然地理学の一分野として、地球の表面における物理的な景観および地形、河川、丘陵、平野、海浜、砂丘、火山、氷河、クレーターなどの形態的特性とその発達過程を探求します。  

地形の変化には、地殻の運動や降水、太陽エネルギー、植生、土地利用など多様な属性が関与しているため、これを探究するには地質学、気候学、雪氷学、環境学など、隣接する学問分野との連携が重要です。小口教授と飯塚助教をはじめとする当研究グループのメンバーは、様々なバックグラウンドをもち、地形学を主体に、水文学・第四紀学・惑星科学・地理教育への応用を見据えた研究を行っており、研究対象とする地域は世界中にわたります。

 地形は、人類文明の発達に、大きな影響を与えてきました。高い山脈は国境を作り出し、文化の断絶を発生させ、河川は農業や貿易の発展を導きました。人類の歴史や、生活と関連の深い地形学は、現代の急速な都市化や、異常気象による災害の増加とともに、防災の観点でもその重要性が認識されつつあります。地形学は、このような問題に対して、最善のソリューションを提示できます。過去と現在のデータを通して未来に対応する学問として、地形学の役割は、ますます大きくなっています。

 地形の情報は、地理情報システム(GIS)で、収集・解析できます。地理情報システムを用いた研究は、地理情報科学(Geographic Information Science)という学問分野としても確立しています。当研究グループが所属する空間情報科学研究センターの研究者たちは、空間情報を活用して地形を解析し、交通ネットワークを把握し、最適の不動産を予測するなど様々な分野で活躍しています。当研究グループは彼らと常に交流しながら、より研究に適した手法と解釈を追求しています。このように、私たちの研究グループは、より正確で効率的な研究の手法を検討し、伝統的な手法とともに、最新技術を研究に活用しています。また、最近では、地形教育や防災教育の重要性の点から、2022年に高等学校で開始される地理総合の実践を支援するための教材の開発や、現役の教員と連携した授業モデルの考案にも取り組んでいます。